2010-06-28

人んちの市場

芸術というのはどうも、見ればみるほど分からなくなっていきますな。

値段(しかも高い)がついている立派な「商品」でありながら、
それが何なのか全然わからないってのは、
いったいなんなんでしょうか。

もちろん、そんなに簡単に答えが出てしまっても、それはやはり芸術とはいえないんでしょうね。

見た瞬間に用途目的がぱっとわかるようなモノ。たとえば生活用品なんかは、それはもしかすると「芸術的」かもしれないが、決して「芸術作品」ではない。少なくともそのつもりで作ってはいない。

じゃあ、そのつもりで作っている芸術作品というのは、どこに価値があってあの値段がついているのか?

値段がついているということは、もちろん売るつもりなのは間違いないわけですよね。でもなんとも形容し難い作品に、その「商品説明」があるわけでもなく、で、詩的なタイトルと共にしれっと「¥300,000」とか書いてあるんですよ。

こ、これでこれって売れるんですか?

まあ、僕らはそもそも買う気もなく行っていますし、ギャラリーの方もターゲットとして見てないのかもしれませんが。

ともかく、だれもいないギャラリーで作品をじっと見てても、何もわかりません。
でも、例えば友だちがやってる展覧会なんかで、なんでその作品を作ったか、という話を聞くと、ものすごく面白かったりします。

僕らモノをつくるデザイナーは、誰も説明してくれるひとがいなくても良いように、パッケージに工夫をこらし、ポップをたて、なんとか心にとめてもらう努力をします。

芸術にも、なんかそういう糸口が必要だと思うんですけどねえ。
それが簡単にみつからないから価値があるのであって、僕がそれを見つけられていないだけだとしたら、もうグウの音も出ませんが・・

なんとなく「人んちの市場」が気になる昨今です。

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