2011-10-03

被災地へ

先日、「ザ・バザール 東北支援・明星の会」に参加させていただき、被災地へ行ってきました。

「明星」という居酒屋さんを被災地に出張させるというプロジェクトで、僕もビールを注いだりなど、微力ながらお手伝いさせてもらいながら、仮設住宅のみなさんと交流させていただいてきました。

あの大地震から半年。
ようやく僕も現地にいくことができたのですが、行って来た感想は、
「なるべく多くの人が、この現実を直に見るべき」だなと。

「遠いから」「忙しいから」「行ってもじゃまになるだろうから」行かない理由は沢山あると思いますが、テレビやネットの画像で見るのと、実際にあの場所に立って、見て、風と埃を感じて、というのとは、全然まったく違います。

見渡す限り何もない、もと街だった場所。
ここまで水がきたんだよ、と指差す3階を見上げる恐怖。
横倒しになったビル。
何メートルあるのかわからない、広大に広がる瓦礫の山。
瓦礫が撤去されてなお、地面に転がる生活のあと。

そして、そんな光景をバックに広がる青空。静かな海。
自然はなんて気まぐれで、ぼくらはなんて微力なのか・・

そしてそんななか、淡々と一歩一歩進んでいく復興の足音が聞こえます。
ひと月前には何も無かったというところに、今まさに敷かれていく道路。
コンテナで営業を始める方々、漁を再開する方々…

仮説住宅のおばちゃん達なんて、ホント笑顔で接してくれるんですよ。僕らには到底想像のできない深い悲しみを抱えている方もおられるだろうに・・。そんな笑顔を見せられたら、本当につまらないことで悩んだり悲しんだりしている日常がばかばかしくなってしまいます。

「負けないぞ!」とそのときだけ気張るのではなく「当然負けませんけど?」という確かな生命力、人間のしぶとさ。そんなものをひしひしと感じました。

こういうのを「良い体験」というのはおかしいとは思うんですが、ともかく、ガーンとやられたのは事実です。

あの地で、何が起こったのか。
これから、何が起きようとしているのか。

まだまだ必要な支援があり、細かいところが行き届いていない復興計画があり、ニュースに怒りを覚えたりすることもある。もちろんそういうことをちゃん正していく努力を僕らが負う必要があるのはもちろんなのですが、「どれだけ大変だったかを知る」とか「悲しみを共有する」ということだけではなく、僕はもっと別の意味でも、かの地に行く事に意味がある気がしました。