2010-12-04

あたらしいもの

「新○○」「いままでにない○○」とか、”新しい”という言葉にはいつでもポジティブな響きがありますよね。

人類の進化(進歩?)は、道具の進化なわけですが、人々が「もっと良い生活」を求め、デザイナーがその時代時代の「新しいもの」を生み出し、その蓄積の上に今があるわけです。

こんなに新しい道具ばかり欲しがる動物ってのは珍しい、というか他に存在しませんよね多分。

もうそれこそ遺伝子に書き込まれたことなんでしょうね。この新しいものを求める欲求ってのは。

しかし、単に新しければ良い、本能のままにやれば良いかというとそうでもなく、やはりあれこれ調べたり、試行錯誤したりするのがデザイナーの日常なわけですが、

単に言葉づらの「新しい」ということだけにとらわれちゃうと、それはそれで罠にはまっちゃう気もするんですよね。

「世の中に無いものを作ろう」という気持ちはとても素晴らしいけれど、世の中にいままで無かった、ということは「必要ない」ということと背中合わせなわけで。

単なる、売れる為の刺激としての「新しい」だけを追うのではなく、それが「人類を進化させる価値がある新しさかどうか」てところを考えてモノを作る。それこそがデザイナーの正義だと僕は思います。