2012-02-23

はっぴーらんちぷろじぇくと、2月。

「はっぴーらんちぷろじぇくと」の一部として、工作イベントをご提供させていただいているんですが、2月22日、その第3回を相馬市飯豊幼稚園・小学校で開催させていただきました。

はっぴーらんちぷろじぇくとは、目白のフレンチレストラン「ラ・ムジカ」の熱血シェフ、梶村氏を中心として「被災地の子供たちに最高の一食と心が元気になる文化体験」を提供するプロジェクトです。
http://happylunch.jp


【幼稚園の部】

幼稚園は以前に一度「紙パイプで作る竹とんぼ」イベントをやらせていただいただいて、そのとき「つのっち先生」という呼び名でイベントを開催していました。

その時が初めての工作イベントだったので、みんな覚えていてくれているか、正直半分不安に思いながら幼稚園に着くと、みんな庭でお遊び中。

その中の一人が
「あれ?つのっち?」

それに気づいた他のみんなもこっちに気づき

「わー!つのっち先生きたー!」
「わーい!」

と、なんとあふれんばかりの歓迎をうけまして、もうなんだか、今日はこれで帰ってもいいんじゃないかってくらい感動。ありがとうみんな。

幼稚園の先生がたとの連携もばっちりで、材料もびしっと用意していただき、スムーズにイベントスタート。

前回、「上に飛ぶもの」として竹とんぼを作ったので、
今回は「下に落として遊ぶもの」として、
「着地ネコ」てのをみんなでつくりました。

紙を折って、線をひいて、顔をかいて、ハサミで切って、
こんな形のネコが出来上がります。


これを逆さ向けに落とすと・・地面すれすれでクルっと回って
無事着地する、という不思議な工作。

さてさて、これの導入部で、僕が見本を作り、
「さあ!みんなよく見ててね〜!」と落とすと・・まさかの失敗。
「たまにはこういうこともありま〜す!ではもう一回!」・・とまたまた失敗。
計4回の失敗後に、ようやく成功したんですが、

園児達の半信半疑のまなざしが痛い・・!

とにかく、気を取り直して工作にかかります。

線を書いて、ハサミで切って、顔をかいて、などなど10分ほどで完成。

くるっと上手く回転させるには、それなりの落下距離が必要で、園児達の作業している机に座ったままでは高さがたりないため、みんなに立って、手にかかげてもらいます。


そして緊張の一瞬、
みんなでこれを落とします。

「みんないくよー。さん、にい、いち・・パッ」

ひらひらと舞い落ち、そして・・・!

「うわああー!!!」
「やったー!!」
「すごーい!!!」


みんなみんな、大成功!
半信半疑の空気をうちやぶり、狂乱の世界へ。笑
こんなにタイミングのそろった、ナチュラルな歓声を聞くのは僕、生まれて初めてでした。

ここからは子供たちの発想力の世界。

地面すれすれでくるっとまわる様子が、それだけすごいか説明しにくる子、
ひこうきみたいに飛ばしてみる子、
教室の中でいちばん高いところにのぼり、そこから落としてみる子、
頭にのせて落としてみる子、
作ったネコに名前をつける子、

単なる1枚の紙から、これだけ広がる遊びの世界。
これなんですよ。これなんですよ!!

自分で作って、遊んで、それを友達同士見せあったり、大人に自慢したり。単に与えられたものを「こなす」だけでない、本当の「遊び」の姿。

もちろん忘れてはいけないのは、この園児たちを日々見守っている先生がた、校長先生のふだんの教育。
これが素晴らしいものであるからこそ、園児達の心がきれいに耕されて、受け入れる姿勢が出来ている、そんな気がしてなりません。

さてさてこの後は小学校のほう移動しないといけないため、子供達とは一旦お別れ。みんなはこの後、ネコに色づけをしたり、さらに楽しんでいただきました。


【小学校3年生の部】

小学校の部では、図工の時間にまぜてもらいました。
(飯豊幼稚園と小学校は併設されています)

図工!粘土板!
懐かしすぎる響きに興奮します。

こちらでは幼稚園とは趣向を変えて、図工の時間に「プロの技を見せる」という、なんともプレッシャーのかかるイベントです。

課題は「やさしいモンスター」

材料として
・ストロー
・モール
・紙粘土
・ビーズ
が提供され、それをまんべんなく使ってモンスターを作ります。

これに参加したのは4時限目。小学生のみんなは5時限目も続けて課題に取り組むんですが、僕はこの1時限分しか時間がありません。しかも、課題の紹介や、僕たちの紹介などでも時間を使うため、持ち時間は30分。その中で、プロの技を使ったモンスターを仕上げるって、どんだけプレッシャー!笑

とりあえず教室の真ん中に机をいただき、模範制作スタート。


本当は「特別講師」としての姿を見せたいところだったのですが、この「プロの技で出来たモンスター」が出来上がらないことには何も始まらない。
ということで、大人げなく粘土細工に集中し、制限時間いっぱいで作り上げました。


誕生日を祝ってくれる、やさしいハッピーバースデーモンスター。
いかがでしょう。プロの面目は保てたでしょうか。

今回すごいなと思ったのが、僕が真ん中で作っていて、子供達もそれを覗いて「すげー!かっけー!」なんていいながら作っているんですが、全然それに引きずられることなく、自分の創作をちゃんと作っていること。


好奇心たっぷり、吸収する気持ちを持ちつつも、自分の芯もしっかり持っている。これはさっきの飯豊幼稚園で培われた気質なのか!?

僕が小学生の時て、こんなに素直で気持ち良い子供だっただろうか?と妙な思いにとらわれつつ、無事にイベント終了しました。


その後幼稚園の先生や、校長先生とお話する機会をいただいたので、ご迷惑を顧みず長々お話させてもらっちゃったんですが、やはり人を育てるのは人であり、「コンテンツ」ではないんだなと、ひしひしと感じました。

僕が提供するようなイベントも、刺激としてはもちろん必要なものであるとは思いつつ、でもやっぱりそれで全てが変わるわけではない。

先ほども触れましたが、心の畑を日々いかに耕すか。その下地の上にしか、素晴らしい人間というのは育たないんじゃないかなと痛感した一日でした。

この学校&幼稚園の高橋校長先生がいかにすばらしい思いをもった人か、てのも本当は書きたいんですが(ホント、本出してほしいくらいなんです)、この投稿が異常に長くなってしまいそうなので、それはまたの機会に。

とにかく、最高に楽しい一日でした。ありがとうございました!

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