2010-05-18

普遍的な美とは?

「あんた、こういう絵ってわかるの?」
先日母親に質問されて、はっとしたんです。

「絵が分かる」って、なんなんだろうか?
分かる分からないっていうのは、どういうことなんだろう。

一部の人しか「分からない」ようなもの。
それは「美」としてどうなんだろう?
「美」というものはやはり普遍的なもので、みんなが分かる分からない以前に「感じる」何かなんじゃないか?

いや、そもそも「普遍的な美」というのは、世の中にあるんだろうか。

空の青さ、花の美しさ。
うむ。換金出来ないような自然界の現象にはありそうな気がする。

では、美術やデザインの世界ではどうなんだろう?
価値ある(=値段が高い)とされる絵画は、普遍的な美を混沌の中から引っ張り出して形にしたからこそ、その価値を認められている・・のだろうか?

「普遍的な美である」ということは、どの時代、その場所の人でも、その美しさを認めることができるということ。
今現在価値のある絵が、「普遍的な美」を持っているのだとすれば、じゃあゴッホの絵は、ゴッホが死ぬ前にも高値が付いてしかるべきだ。

つまり、美術についている価値というのは「共通認識」であって、「普遍的な美」ではない。
共通認識、つまり「その絵を欲しいと思う気持ち」が集まれば集まるほど価値は上がるが、それはあるコミュニティの中での話であって、そこに属していなければ関係ない話であり、その絵に価値を見いだせない自分を恥じることでもなんでもない。

どうも美術というと、高尚な感覚でもって分かったり分からなかったりするものであり、それが分かる人は凄くて、分からない人は恥じたりすねたり、そういうものだと思われがちなんですが(「この美しさがわからないとは!」なんて言われると、自分がすごくだめな存在に思えてくるものですよね・・)

もんのすごく乱暴な解釈をすれば、「ギターが趣味です」とか「巨人ファンです」とか「Appleが好きです」とか、そういったこととほとんど変わらない・・のかも、しれないですね。

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