2011-04-18

「ふつう」の価値

震災から1ヶ月あまり経ちました。
亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、こころよりお見舞い申し上げます。

言葉にならないほど甚大な被害、
今後いつ癒えるともしれないその爪痕。

僕らの「ふつうの日常」が、いかにもろいものか。そして、特に原発/電力の問題では、僕らの「ふつう」が途方も無い「無理」の上に成り立っていたんだということを思い知りました。

普通に皆が追い求める「明るい未来」は、実は蜃気楼のようなもので、全然地についてないものなんだなと。

『人間の進歩は、道具の進化によるものであり、
その道具を生み出すデザイナーこそが、未来を切り開く者である』

デザイナーのはしくれとして、僕もその一翼を担いたいと。そう強く思いながらやってきたわけですが、ちょっと立ち止まって、本当にこれで良いのかと問い直す時期が続いています。

悲しんでばかりも、悩んでばかりもいられませんが、
今後、僕も含めて、ものづくりのあり方、それが指し示す未来のありようなんかも、じわっと変わってくるんだろうなと感じています。

もしかすると今後「ふつう」の基準が全体的に下がるかもしれません。

でも少なくとも、「楽しい」という気持ちだけは大切にしていきたい。
その気持ちを育てることが僕の使命だと。
思いを新たに、新しい未来に向けた新しいものを作っていこうと思っています。

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